~心配な息子~  振り込め詐欺のお話

 本日、定例の佐久間地域連絡会がありました。

 佐久間交番から『静岡県内、振り込め詐欺の被害があまりにも多い!』ので、みんなで佐久間の高齢者を守ろう、というお話を伺いました。

 その際、さくまの里のケアマネジャーからも、参考資料としてエッセイストの飛鳥圭介さんの新聞記事が紹介されました。大変興味深い内容なので、ご一読ください。

 

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  ~心配な息子~ 【H25.3.2 中日新聞】

 

 これだけ注意を喚起されていても、振り込め詐欺の被害が後を絶たない。なぜだろう、と考えてみた。それは犯人が『息子』を装うからではないか、と気が付いた。

 息子と娘、親としてはえこひいきすることなく、まったく平等に育て、遇してきたつもりの人がほとんどであろう。ところが息子と娘は違う。

 娘と親の関係は(とくに同性の母にとっては)、巣立った後も一種独特な親和感がある。つまり、よほどの事がない限り、娘に対しては安定的な信頼感がある。いわば大人と大人の付き合いができる。

 ところが息子ときたら、いつまでたっても子供のころのままという思い込みがある。立派な大人になっても『仕方のないやつ』という危うさを親は感じ続けているのではないか。親と息子の関係は、娘ほど近しくなく、ある種の緊張をはらんだ距離感がついて回る。

 この距離感に犯人は付け込むのだ。『俺だけど』と言われて金銭をせがまれると、『仕方のないやつ』がまず頭をもたげる。

 卑劣極まる犯人たちに対抗するには、わが息子を一人前の大人として、徹底的に信頼するしかない。

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 いかがでしょうか。なるほど、と思われる方、いやそれは違うだろう、と思われる方もあるかもしれません。しかしながら、被害は予想以上に広がっており、この瞬間にもどこかで誰かが騙されていると考えられます。

 家族、近所での声掛け合いが重要です。おかしいと思ったら、まずは誰かに相談しましょう。『今日でなければだめなんだ!』と焦らせるケースも多いそうです。惑わされずに、深呼吸して冷静に考えることを忘れないでください。